丁寧 丁寧 丁寧に

ウマ娘 プリティーダービー、とても丁寧に作られている。

 

ウマ娘とは、実在する/した競走馬の名前と魂を受け継いで生まれてくる少女たちである。モデルとなった馬の毛並み・マーキング・馬具・性格などの特徴が上手くキャラクターに表現されている。また彼女らがレースで着用する勝負服も、馬主の勝負服やメンコの色合いが取り入れられている。丁寧。

 

この設定で気になるのは、牡馬(オスの馬)牝馬(メスの馬)どちらもウマ「娘」となること。アニメやゲームでのダイワスカーレットアグネスタキオンの関係性を見るに、現実世界の親子という関係性はウマ娘界にはないものの「他のウマ娘とは少し異なる親近感」を抱いていると考えられる。とすれば現実世界で交配した馬たちもウマ娘界では何らかの感情をお互いに対して抱いてそうではあるのだが… 妊娠・出産などについては作品内で描写されていないので目を瞑ろう。

 

アニメの仕上がりは非常に良かった。ウマ娘専用の受話器、あれはすごい。ウマ娘には人間の耳の位置に耳の描写がない。電話するときには人間が使う受話器では受話と送話を同時にできないため、専用の受話器を必要とする。スマートフォンも耳に当てることなくスピーカーをオンにして通話している。他のアニメでは設定と矛盾した描写はまぁまぁ見られるのだが、ウマ娘ではそれがなかった。丁寧。

 

アニメでは「実際に競走馬の物語をモチーフとし、事実に基づいた表現を心がけたフィクションです」と謳われている。この言葉を実感したのは天皇賞(秋)サイレンススズカが故障した後、以降レースを走らなかったときである。フィクションだからこそ、盛り上げるためにレースに復帰させて、夢の対決を演じることもできたのにしなかった。サイレンススズカの物語に対する思いやりを感じた。丁寧。

 

他にも丁寧さを感じる描写はたくさんあるが、アニメについてはここまで。

 

 

 

フィクションだからこそ、サイレンススズカが生き続けている。良いね。